『小金井通信』の掲載に際して
2024年2月
1927年11月創立(1947年設立)の「保険研究所」は2023年11月、経営者(仲西宏之会長の横領)により、百年の歴史に幕を閉じました。
私は、2015年から「保険研究所」の特約記者として、保険代理店や金融庁・関東財務局、生・損保会社等の取材に当たって来ました。
地銀や信金・信組等の金融業界記者を経て、私は1989年4月から2013年3月まで「保険銀行日報」記者を務めました。この間、2006年4月から2013年3月まで保険雑誌「月刊ライト」の編集及び主筆を兼務しました。
「月刊ライト」編集引き継ぎに際して、東京・東十条の保険代理店「久保田・栗原保険事務所」店主の久保田 稔氏を取材し「日本の保険代理店『スーパー販売術に迫る!』を取り上げました。毎月数回、赤城山麓の別荘に通い畑仕事を満喫する久保田店主に対し、私は『久保田さんの赤城山麓便り』連載を依頼しました。保険募集の傍ら週末に百姓仕事に精を出し、保険に関する安さや簡便さのうちに隠れた落とし穴について分析するエッセイは好評を得て、数年後に「安ければいい保険なの?『私の保険道』 赤城山麓で思ったこと」として上梓しました。書名は、同氏が学習院大学在学中に「剣道部」だったことにちなみにます。
東京・浅草の、安田火災代理店研修生出身の大塚武敏「そうあい保険事務所」店主は、「東京都保険代理業協同組合」の取材を通じて知りました。卓越した保険代理店流通理論を掲げる大塚店主には、『毎日が代理店』の執筆を依頼しました。第1回のタイトルは「保険代理店(法人)名について考える」(「月刊ライト」2005年4月)です。連載は77回に及び、最終回のタイトルは「高齢従業員のリタイアについて考える」(「月刊ライト」2011年8月)です。この連載は、「考えるシリーズ」として定着しました。東海林さだおの「週刊朝日」の連載コラム「あれも食いたいこれも食いたい」シリーズと重なります。
大塚店主には連載の初期、トップ代理店の矜持を取材し「ハートフル『ナンバー1代理店』の視点」(「保険銀行日報」2005年12月)と題して、(上・中・下)3回に渡り掲載させて頂きました。
今回、「保険研究所」の経営破綻を機に、齢七十を前にして、大塚武敏「そうあい保険事務所」店主のお力添えを得て、保険業界及び周辺の記事を「そうあい保険事務所」ホームページに掲載させて頂くことになりました。心から感謝を申し上げます。
フリーランス/小柳博之