『小金井通信』 2025年6月

●小野SBI損保社長、6月2日開催の2025年3月期業績報告会で今後の経営課題として「自動車保険依存からの脱却」を示唆した。
(取材・小柳博之)

 SBI損保の小野 尚社長は6月2日、近況報告会(2025年3月期業績報告)を開催した。同社の近況報告会は、2021年11月に開始し今回で10回目。
 小野社長は、「当社の今後の経営課題は自動車保険依存からの脱却である」と示唆した上で各種指標について言及した。それによると、2025年3月期決算における①元受け正味保険料は対前年同期比52億800万円(9.9%増収)し577億3700万円、②保有契約件数は56万件(同4.4%増)拡大し132万5000件、③正味損害率はリトン・ベイシスで73.3%(期間中の支払い保険金を収入保険料で割る)、④従業員数は2025年4月現在629名(前年同期比23名増)、⑤元受正味保険料(オーガニックグローズ)によるダイレクト型損保の順位は、ソニー損保、チューリッヒ保険、SOMPOダイレクトに次ぎ第4位。この要因として、㋐タレントの蘆田愛菜さんのテレビCMが好感され自動車保険が着実に進捗したこと(2023年3月末を1として1.09)、㋑がん保険のテレビCM等を通じたマーケティング施策と団体保険契約の進捗により前年同月末比8.9%増加したこと(同1.19)、㋒海外旅行保険が『新型コロナウイルス感染症』の収束により回復し契約件数が大幅に増加したこと(2023年9月を1として4.30)、⑥このほか、あいおいニッセイ同和損保や昭和リース、SBI新生銀行グループとの協業、⑦地域金融機関との連携などオープンアライアンス等を挙げた。