『小金井通信』 2024年1月19日

●金融庁、1月15、19日開催の『第147・148回自賠責保険審議会』で「特定小型原動機付自転車区分」新設を了承-今春4月1日から適用開始

(取材・小柳博之)

 金融庁は1月15日10時から、中央合同庁舎第7号館13階共用会議室及びオンライン形式で『第147回自動車損害賠償責任保険審議会』(会長・藤田友敬東京大学大学院法学政治学研究科教授)を開催し、川口伸吾損害保険料率算出機構専務理事が「令和5年度料率検証結果」について報告した。
 純保険料率水準の検証を行った結果、2023年度の予定損害率(133.5%)に対する乖離率マイナス1.6%を確認した。
 次いで、「電動キックボード」の区分新設について論議した。2023年7月、原動機付自転車に新たに「特定小型原動機付自転車(電動キックボード)」が導入され、それ以外の原付は「一般原付」と定義されたことを受け今回、細分化に踏み切った。
 特定小型原付の規格は①長さ1.9m以下、②幅0.6m以下、③総排気量定格出力0.6kW以下、④法定速度20㎞/h(一定要件を満たすもののみ・6㎞/hで歩道走行可)。
 「特定小型原付の純保険料率」の算出方法は、現時点で定量可能な範囲で両者のリスク特性の差異を勘案し、特定小型原付の純保険料を算出することで合意した。計算式は「特定小型原付の純保険料率」=「一般原付の純保険料率」×「特定小型原付と一般原付の純保険料率」(分子)÷「(1)事故率×(2)保険金単価格差」(分母)。
 藤田会長は、川口伸吾特別委員に対し、次回1月19日開催の『第148回自動車損害賠償責任保険審議会』に「特定小型原付の純保険料率」を提示するよう要請した。
 『第148回自動車損害賠償責任保険審議会』は、1月19日10時から中央合同庁舎第7号館13階共用会議室及びオンライン形式で開催。川口特別委員は、「特定小型原付」と「一般原付」の純保険料率較差の算出方法について説明。同氏は、全体に占める死亡事案・後遺障害事案の件数割合及び障害事案の保証金単価に関して、運動エネルギーとの両対数回帰式に基づき特定小型原付の値を推計したことを明らかにした。
 一般原付の死亡事案の件数割合は0.29%/後遺障害事案の件数割合は5.32%/傷害事案の保険金単価39万2000円。特定小型原付は、0.13%/4.00%/36万9000円だった。議論の結果、異論は出ず、これを了承した。

この結果、適用基準料率は、
① 12か月契約:一般原付(A)6910円/特定小型原付(B)6650円、
② 24か月契約:(A)8560円/(B)8040円、
③ 36か月契約:(A)1万170円/(B)9400円、
④ 48か月契約:(A)1万1760円/(B)1万730円、
⑤ 60か月契約:(A)1万3310円/(B)1万2040円。