『小金井通信』 2025年12月19日

●金融庁、12月17日に『令和7年保険業法改正に係る内閣府令(案)等』に対するパブリックコメント実施要領を公表
(取材・小柳博之)

 金融庁企画市場局総務課保険企画室は12月17日、金融庁監督局保険課が、不祥事が頻発する損害保険業の構造的な課題及び適切な競争の阻害要因に関する制度・監督上のあり方について論議する『損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議』(2024年3月26日に初会合)を設けたことを端緒として、その後金融審議会の議論を経て成案を得た、損保会社におけるカルテル案件など一連の不祥事等を踏まえた『保険業法の一部を改正する法律』(2025年5月30日に成立)に対応する『令和7年保険業法改正に係る内閣府令(案)等』を、主として大規模乗合生・損保代理店向けに取りまとめ(①保険募集の業務関連、②兼業業務関連、③保険会社等に対する体制整備義務の強化、④保険会社等による保険契約者等への過度な便宜供与禁止、⑤保険仲立人の活用促進対応等、⑥乗合代理店における比較推奨販売の確保)実施するパブリックコメント概要を公表した。

 それによると、令和7年5月30日に成立した『保険業法の一部を改正する法律』令和7年法律第54号。公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行)について今回、保険業法施行規則等の規定の整備を行う他、関連する規定の整備を行う。
 主な改正の内容は、(1)特定大規模乗合保険募集人(注)に対する体制整備義務の強化(保険募集の業務関連) ・特定大規模乗合保険募集人の要件 ・営業所又は事務所ごとの法令等遵守責任者の設置 ・本店又は主たる事務所への法令等遵守責任者を指揮する者(統括責任者)の設置 ・苦情処理体制の整備
 (2)特定大規模乗合損害保険代理店に対する体制整備義務の強化(兼業業務関連) ・対象となる特定大規模乗合損害保険代理店 ・兼業業務に係る体制整備等・苦情処理体制の整備 ・内部監査 ・社内通報等に関する体制の整備
 (3)保険会社等に対する体制整備義務の強化 ・特定大規模乗合保険募集人に業務を委託する場合の措置 ・兼業業務を行う特定保険募集人(兼業特定保険募集人)に関して損害保険会社に求める措置
 (4)保険会社等による保険契約者等への過度な便宜供与の禁止 ・保険契約者又は被保険者と密接な関係を有する者を規制対象に拡充
 (5)保険仲立人の活用促進に向けた対応等 ・海外直接付保に関する手続き及び海外直接付保の許可に係る保険媒介における保険仲立人の活用 ・保険仲立人の不祥事件の届出義務の新設に伴う届出事項等の整備
 (6)乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保 ・情報の提供に係る規定の改正
 (注)特定大規模乗合生命保険募集人及び特定大規模乗合損害保険代理店を指す。その他所要の改正を行う。
 (1)~(5)に関する具体的な改正内容については、(別紙1)、(別紙3)及び(別紙4)を、(6)に関する具体的な改正内容については、(別紙2)及び(別紙5)を参照
 (1)~(5)に係る監督指針(案)に対するパブリックコメントについては、こちらを参照。
 (6)に係る監督指針(案)に対するパブリックコメントについては、こちらを参照。
 施行日は、パブリックコメント終了後、所要の手続きを経て公布、施行する予定。そのうち(1)~(5)については、改正保険業法施行日から施行する。
 今案について意見があれば、令和8年1月30日(金曜)17時00分(必着)までに、氏名(法人その他の団体にあっては名称)、職業(法人その他の団体にあっては業種)、連絡先(住所、電話番号又は電子メールアドレス)及び理由を付記のうえ、郵便又はインターネットにより、下記送付先まで。インターネットによる意見は、下記e-Govウェブサイトまで。意見を寄せ頂いた方の氏名(法人その他の団体にあっては名称)については、開示の請求等があった場合、意見の内容とともに開示することを承知置きください。
 なお、開示に当たっては、御意見の内容に、(1)個人に関する情報であって特定の個人が識別され得る記述がある場合、又は(2)法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を侵害するおそれのある記述がある場合には、当該箇所を伏せさせて頂くことがある。

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意見の送付先は、金融庁企画市場局総務課保険企画室。